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2023年3月21日火曜日

【実測シリーズ】Surfgauge 試作室_ハンディな ポータブル 表面張力計の提案_その2

以前、

【実測シリーズ】Surfgauge 試作室_ハンディな ポータブル 表面張力計の提案

と題した投稿で、現場志向のハンディな表面張力計を提案いたしました。


マイクロヘッドを手で回すときに、装置に振動が伝わってしまい、安定した液滴の

滴下をそがいし、ばらつきを生み出す要因になっていました。

当時、この点を改善しないことには、商品化は難しいとの判断に至りました。


最終的に、装置を自動化することで、測定者の動作を最小限にすることで、解決

することができました。

以下、測定中の動画です。

(動画の右下の設定で、画質を変更すると、多少鮮明になります)



動画内容を解説しますと、
・試料を入れた、ディスポタイプのシリンジをセットします。
・流量の設定(3段階)を選択し、一定量、液滴を滴下します。
・滴下を止めると、表面張力値が表示されます。

以前の投稿でも述べましたが、
現場で、簡便に、手早く、測定可能な表面張力の測定機器は、色々な制約があり、
実現が難しいと考えられました。

この装置で解決できると思います。

近日、リリースを予定しております。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

2022年5月30日月曜日

【実測シリーズ】Surfgauge 試作室_ハンディな ポータブル 表面張力計の提案

 

久々の投稿となります。


さっそくですが、例えば品質管理の現場などで、表面張力の測定がサクッと行えたら

よいなと思ったりします。


表面張力の測定方式の多くは、試料と接触する、装置のセンサシステムの一部となる

測定子を介して測定が行われます。


得てして、測定子は試料液体に対して、よく濡れることが担保されている必要があり

ます。

そのため、測定前に測定子の前処理が必要となったり、使用後には、極力すぐに、

しっかりと洗浄を行い、試料を除去し、保管を行う必要があります。


結果、おそらく、試料を抜き取り、ラボに持ち込むなどし、表面張力の測定を行って

いる、というケースが多いのではないかと思います。


この点を解決することで、より現場に近いところで、表面張力の測定が実現できる

のではないかと、考えてきました。

以下のような方法はいかがでしょうか?



解説しますと、ディスペンサになっている、マイクロメータヘッドを回転させ、液滴を
数滴、ポタポタとシリンジから滴下させます。

滴数は測定者の任意になります。

滴数が多い方が、再現性は良いと思います。


滴下が終わり、左手の親指を離すと、表面張力値が表示されます。


シリンジは、試料の変更とともに取り替えていただきますが、ディスポでも良いかも

しれませんし、後でまとめてガラガラと洗浄してもらっても良いかと思います。


ちなみにこの試作機は、乾電池でも動作いたしますので、場所を選ばず、現場で

試料をシリンジで吸い取り、その場でポタポタ滴下させるだけ。


以上のようなご利用のシーン、ございませんでしょうか?


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


2021年1月18日月曜日

【実測シリーズ】Surfgauge 試作室_コロナ自粛期間中 速報的 流体解析の提案

 
2021年、初の投稿です。
というより、前回の投稿よりかなりご無沙汰になっておりました。

昨年、今では懐かしくもある、2020年の5月の自粛期間時いらい、コロナは、依然、
終息、収束を見せる気配がありません。

当時、こんな時こそ、「いつかやろう」、「ダメもとでやってみたかったこと」
など、最低の成果でもプラスマイナスゼロ、最悪でも会社やご自身に、損害を与え
ない結果にしかならないようなことをやってみるのはいかがかと、ブログにも投稿
しました。


今回、流体の流動解析を目的とした測定装置を考え、試作装置で測定した実例を
投稿したいと思います。


流体の解析に重要な物性として、粘度、表面張力、密度などがあり、
例えばよく聞くところでは、

レイノルズ数:
ρ: 密度
v: 平均速度
L: 特性長さ
µ: 粘度
ν: 動粘度

せん断粘度(µ) を用いることで、慣性力と、粘性力の比であるとして、わかりやすい
かと思います。

流動において、粘性力は、層流という整った流れを作る源泉であり、
慣性力は、より重たいものが速度づくと、乱流を作る源泉となる、
とみることができます。


ウェーバー数:
ρ: 密度
L: 特性長さ
V平均速度
σ: 表面張力


分子は、レイノルズ数と同じく、慣性力をあらわし、分母の表面張力との比をとり
ます。

スプレーやインクジェットのような高速の噴出、または、高速で液体がぶつかった
時の「しぶき」。
このような現象では、凝集力として作用する表面張力は、球形状の液滴を作り、
慣性力に支配されると、複雑な非球形状になります。


オーネソージ(オーネゾルゲ)数:

レイノルズ数と、ウェーバー数を組み合わせた無次元数です。
粘性力と、表面張力の関係性をあらわします。

例えば、噴出時に、引き延ばされた液滴のフィラメントの破断しやすさを特徴づける
など、自由表面を形成する流動場、液滴の形成において、使われるようです。


これら以外にも、流体力学解析に有効な無次元数は、多数ありますが、それらを
紹介することが目的ではありません。

ここで着目したいのは、代入する、粘度、表面張力の測定についてです。


解析対象となる流動現象で、流体の速度を見積もることができれば、少なくとも
上記で紹介した手法に当てはめ、解析することは可能です。


問題は、

液体のほとんどは非ニュートン流体であり、粘度値が、速度依存性を持つ。

表面張力についても、界面活性剤を混合した系では、動的表面張力として、表面張力は、活性剤の吸着速度に依存性を持つ。
この点は、【実測シリーズ】コロナ自粛期間中 液膜粘弾性の測定 の「マランゴニ効果」を、ご一読
いただければと思います。


粘度については、現場の流動速度から、どうにか、せん断速度を算出し、その
せん断速度での粘度値を得ることは、可能かも知れません。

一方で、動的表面張力の測定は、最大泡圧(バブルプレッシャー)法という、液中に
入れた細いノズルから、泡をポコポコと吐出し、吐出圧力から表面張力を算出する
方式が主流です。
この泡の吐出周期(速度)を変化させ、最大泡圧法固有の速度と、表面張力値を
対比づけしています。

この泡の吐出周波数と、せん断速度、現場の流動速度を、どのように換算するのか。
そうでなくとも、個別に測定した物性値の、速度・時間軸を合わせこむこと自体、
後にエラーがふくらんでいく要因になりそうです。


そこで、以下に、同一システム、同一の環境で、粘度と表面張力を同時測定した
一例を紹介します。
(測定システムの詳細については、割愛します)

以下、すべてのグラフで、
黒マル: インクジェット用 黒インク
黄マル: インクジェット用 黄インク
青マル: 水
・横軸 : 測定時に発生させる流動場の流速[m/sec.]
     (せん断速度に換算することも可能)


図1.粘度値[mPa・s]

黄が黒よりも多少高く、両インクともに、若干の非ニュートン性を示してます。


図2.表面張力[mN/m]


インクについては、黒の速度依存性が若干大きく、両インクとも、流動が高速である
ほど、表面張力が上昇傾向にあり、水と異なり、動的挙動を示してます。

上記、粘度、表面張力の測定結果から、無次元数を求めてみたのが、以下になります。


図4.レイノルズ数


図4.ウェーバー数


図5.オーネソージ数



いかがでしょうか。
測定・解析結果についての検討はしませんが、流速によって、流動特性が変わることが
わかります。

今回紹介した測定方式が実現することにより、

同一測定環境(時間・速度軸)で得られた物性から、流動性解析が可能

それ以外にも、

・一度の測定で、2つの物性値が得られ、測定の手間が省ける
・静的(低速)から、動的(高速)の測定が可能

といった特長があげられます。



ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




2020年5月15日金曜日

【実測シリーズ】Surfgauge 試作室_コロナ自粛期間中 速報的 液膜粘弾性の測定


前回の投稿から、だいぶん間があいてしまいました。

昨今のコロナ自粛期間中、いかがお過ごしでしょうか。


世の中、今回を機に、コロナ終了後も、在宅ワークの流れは促進されていくのかも
しれませんが、業務や時間効率が上がるのであれば、どんどんそのようになっていけば
良いのかなと思います。

私どもは、もともと在宅ワークの方式をとっていますが、特に不便を感じたことは
ありません。

ただ、今回のような自粛、緊急事態宣言下で、テンポラリーに在宅ワークを行っている
方は、お客様や、パートナーなどが稼働していなければ、やることもなくなってきて
しまうのではないかと想像します。

このような時は、「いつかやろう」、「ダメもとでやってみたかったこと」など、
最低の成果でもプラスマイナスゼロ、最悪でも会社やご自身に、損害を与えない結果
にしかならないようなことをやってみるのはいかがかと思いました。

申しました通り、もともと在宅ワークということもあり、ここまでの間、取り立てて
仕事のペースが変わることはなかったのですが、自粛の気分を変えたいと思い、
「いつかやろう」と考えていたこととして、液膜粘弾性測定装置の試作にトライして
みました。



前置きが長くなりましたが、今回のタイトルに戻りたいと思います。


当ブログでは、これまで、「粘弾性」に関係する内容がほとんどでした。

粘弾性については、主に、概念的なお話をさせていただきました。

粘弾性測定の実測については、本来は粘弾性の測定原理まで到達した後で投稿する、
という中期計画でした。

  ブログをかなりサボってしまっていたこと。
  「自粛の気分転換」。

これらはさることながら、
「液膜粘弾性の実測」については、なかなか目にすることはないはず、と思い、
今回、あげさせていただくことにしました。


いきなり測定データを示します。


白抜きのドットが貯蔵(バネ弾性)成分。
黒塗りのドットが損失(粘性)成分です。

バネ弾性、粘性成分については、よろしければ、こちらをどうぞ。
粘弾性について1)_学校の定期試験を例にとった説明
粘弾性について2)_固体はかたい、液体はやわらかい?

横軸は、周波数で、対数軸になっています。

食器用洗剤水溶液(確実にミセル濃度以上、正確な濃度は不明)の液(シャボン)膜
を作り、その膜をある方法で、ひっぱったり、縮めたりという動作を「正弦周期的」
に繰り返しました。

その際、膜の長さと、力の変化を、それぞれ正弦波のデータとして記録します。

変形の大きさと、力の関係から、弾性率が得られることを、
粘弾性について6)_伸長粘度はなぜ3倍? ~その1~_せん断ひずみと伸長ひずみ
で説明をいたしました。

これらの関係を正弦波で得ると、かたさである弾性率を、貯蔵成分と損失成分に分ける
ことができます。

この粘弾性の測定原理については、いずれの機会に投稿したいと思います。


往復運動の速度を上げていくと、特に貯蔵(バネ弾性)成分の顕著な上昇がみられます。


ミセル濃度を超える液膜には、洗剤に含まれる界面活性剤分子が、密に吸着し配向
しています。

界面活性剤の吸着密度に応じ、表面張力は低下します。

一方で、液膜を引き延ばし、表面積が増加すると、密であった界面活性剤が瞬間的
には「疎」の状態になりますので、液膜の表面では、界面活性剤濃度が低くなり、
瞬間的に表面張力は上昇します。
これは「ギブス弾性力」で説明されます。

液膜を引っ張ると、表面積を最小にして安定化をはかろうとする表面張力の作用に
より、縮まろうとしますので、表面張力はバネ弾性のように働きます。

以下、ウィキペディアで紹介されている動画を見ていただくと、イメージがよくつかめます。
https://en.wikipedia.org/wiki/Surface_tension

いっぽうで、「疎」になった隙間には、すぐに界面活性剤が移動してきて、密の状態
になるため、表面張力を低下させます。
このメカニズムを「マランゴニ効果」とよびます。

高周波数領域では、液膜の表面積の増加に、界面活性剤の移動がおいつかないため、
弾性率が上昇し、
周波数が低い領域では、界面活性剤の移動がじゅうぶんにおいつくため、弾性率は
上昇することなく、安定していると、グラフからは理解できそうです。

低周波数領域では、弾性成分が粘性成分を上回り、並行で平坦なグラフになって
いますが、配向した界面活性剤が、構造として液膜の安定に寄与しているのでは
ないかと想像します。


いかがでしょうか。


今回、試験を行ってみて、例えば、

  起泡性、泡安定性、フォーミング、テクスチャーなどを検討する際の、液膜物性
  の評価。
  目的に合わせた材料設計時の、界面活性剤の選定。

などに、実用性のある測定方法になるのではないかと思いました。

試作機をブラッシュアップしながら、色々な液体を試してみたいというように思い
ました。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


2019年3月25日月曜日

毛細管現象_最初の発見者は誰??


これまでの投稿の中で、粘性と弾性の定義についてはいずれ掘り下げたいと、先送り
してまいりました。。

粘性については、ニュートンの流動法則。
弾性については、フックの弾性法則。

これらの定義を少しレビューしていたところ、ニュートンとフックには、毛細管現象
の発見という点でも、共有テーマがあることがわかり、急きょ今回の内容を変更して
しまいました。

粘性と弾性の定義については、またこんど、掘り下げてみたいと思います。


毛細管現象については、ヤングとラプラスが、1805年、同年に、それぞれが出版した
著書により、明確に理解されるようになりました。

ラプラスの著作は、液体の凹凸(メニスカス)を扱った自由表面などの観点から、
より解析的な内容であったのに対し、
ヤングの著作は、気体、液体、固体の間、熱力学的な相が関係する現象、という観点
から、数式が用いられない定性的な内容でした。

同年に出版された二つの著作は、このような点で対比されたりもしていますが、この
ヤングの著書で、初めて表面張力について述べられたようです。

ちなみに、上記のヤングの観点は、今日では「ぬれ」という分野に分類されるもの
ですが、「ヤングの式」をもちいて、ぬれ現象を説明したのは、この後の著作のよう
です。


ニュートンは、自身の著作である「光学」(1704) の中の、「Queries」という章で、

「2枚のガラス板を100分の1インチの距離に平行にならべて水の中に立てると、
水がこの2枚の板の間を約1インチ上昇する」

ということを確かめた、ということが、上記のヤングの著作の中で、述べられているよう
です。

このニュートンの説明は、まさに毛細管現象を観察した内容ですが、ヤングとラプラスの
著書の出版以前、100年も前のことです。


ところが、フックは、さらにその40年以上前の1661年、「毛細管現象論」を出版して
います。「毛細管現象論」はフックの最初の著作でもありました。

この著作の中で、
  毛細管の中に液体が上昇していくのは、管内と外側の気圧差のせい。
  気圧差が生じるのは、空気とガラスの相性が悪く、ガラス管の内部に空気が入り
  込みにくいから。
  この相性の良し悪しは、水と油が混ざらないこと、溶解や沈殿の原因にもなって
  いる。
と記しているようです。

ラプラスは、毛細管現象を圧力差から、ヤングの式は、気体、液体、固体、3相の相性
を説明しています。
フックは、ヤング、ラプラスの出版以前、150年も前に、すでに同じような着眼点を
持って毛細管現象を理解していたのだと感じます。

また、水と油の相溶(乳化)、溶解・沈殿(分散)には、物性として、表面(界面)
張力、接触角が、深く関係しています。
毛細管現象とこれらの現象を、ぼんやりとながらイメージできていた、表面張力の
概念を介して、関連づけ、理解をしていたのかもしれません。


ちなみに、出版物にはなっていないようですが、研究史の中で、毛細管現象を最初に
観察し、記録を残したのは、レオナルド・ダ・ヴィンチであるという説があります。
膨大なCodex(手稿)の中に、記録が残されているのではないかと想像します。



今回、ニュートンの粘性法則と、フックの弾性法則のとりかかりから、話がそれた形で
毛細管現象にふれました。

フックについては、フックの弾性法則以外、人物像も含め、あまり詳細がわからない
という印象がありました。
実は、ヤングとラプラスに先がけ、近代研究史の初期の段階で、毛細管現象について、
ユニークで、鋭い視点から説明していたことがわかりました。

同じ時代に活躍した、ヤングとラプラス。それと対照的に、同じ時代を生きたニュートン
とフックには、深い確執があったともいわれているようですが、粘弾性を理解するうえ
で、ニュートンの法則とフックの法則の理解は、等しく重要だと思います。
このシンプルな古典物理の法則の理解がほぼすべて、というようにも思います。


なお、「毛細管現象論」の4年後である1665年に、フックが出版した
「ミクログラフィア」は、現在でも入手可能なようです。
「毛細管現象論」で説明した内容の大部分は、この著書で知ることができるようです。
この機会に、ぜひ一度、読んでみたいと思いました。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。