2023年10月9日月曜日

【実測シリーズ】ポータブルレオメータによる測定例_硬化挙動評価

前回投稿の【実測シリーズ】Surfgauge 試作室_ハンディな ポータブル レオメータ

にて紹介した、ポータブルレオメータによる測定例を紹介いたします。



今回、シリコーン樹脂系弾性接着剤の硬化挙動について、測定を行いました。

下図、測定結果になります。


横軸 :時間 [分]
左縦軸:貯蔵・損失弾性率 [KPa]
右縦軸:位相差 [°]

赤曲線:貯蔵弾性率
青曲線:損失弾性率
黄曲線:位相差

測定開始時は、損失弾性率が貯蔵弾性率を大きく上回り、位相差も90°近辺の

値を示していることから、試料が液体状態であることがわかります。


35分くらいの時点で、位相差が45°を示し、貯蔵・損失弾性率のグラフが

クロスしています。

ここで、液体から固体への遷移点として、硬化時間の判定として定義するという

使い方ができます。


この接着剤を使用する場合、30分程度は、接着面が動かないように固定しておく

必要がありそう、といったような判断ができそうです。


その後、緩やかに位相差が低下し、弾性率が上昇していくことで、完全に固定化

していく様子がわかります。


動的粘弾性の測定は、弾性率をかたさの情報にくわえ、貯蔵・損失成分に、成分

わけできるため、非常に多くの情報を与えてくれます。


動的粘弾性の測定原理については、過去の投稿

粘弾性について6)_動的粘弾性の測定原理

をご参考いただければと思います。


また近々、周波数依存の測定を行った例をご紹介させていただければと思います。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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