2022年12月9日金曜日

伸長粘度はなぜ3倍? ~番外~ キャピラリ破断方式 CaBER1のご案内


 かなり長期間滞っております、「伸長粘度はなぜ3倍?」シリーズですが、今回は

「番外」として、案内の内容になります。


上市している粘度計は、せん断ひずみによるもの、伸長ひずみによるものが主で、

液体は、せん断ひずみ、固体の測定には、伸長ひずみが主であるといえます。

せん断ひずみ、伸長ひずみについては、過去の投稿、

「粘弾性について7)_伸長粘度はなぜ3倍? ~その1~_せん断ひずみと伸長ひずみ」

をご参照ください。


とはいえ、せん断、伸長、ひずみのあたえかたで、材料からの応答はことなります

ので、流体であっても、伸長粘度で評価すべきケースは多々あります。


一方で、簡便に流体の伸長粘度を測定できる機器がほぼ皆無である中、

サーモフィッシャーサイエンティフィック社

Capillary Breakup Extensional Rheometer(毛管破断方式伸長レオメータ)

CaBER1

という装置が、ほぼ唯一として、販売されていました。


「いました」と過去形なのは、残念ながら、惜しまれつつも(?)2021年に

製造、販売が終了してしまいました。


CaBER1という装置に、特に思い入れが強かったことから、

アーカイブとして、殿堂入りで残しておきたいというおもい、

この先も、伸長粘度測定を必要とされる方がいるのではないかというおもい、

などがあり、

サーモフィッシャーサイエンティフィックさんとは、懇意にさせていただいている

こともあり、2021年末に、最後の1台を購入させていただいておりました。


所有するCaER1を、時間貸しで開放しようというのが、今回の案内です。

時間貸し、受託測定は、もともと想定していなかったのですが、この1年くらいの

間、数社、装置の使用を対応させていただいたことから、まだまだ需要があり、

少しでも装置を開放すべきと思った次第です。

基本的な方針は、

・1日単位での時間貸し

・サンプルの持ち込み点数は、特に制限を設けません

・操作説明の実施、測定中のご質問には、随時対応

となります。

*色々な作家さんがいらっしゃるアトリエ内に設置されており、環境は、一般家庭に

準拠していますので、サンプルの安全面の取り扱いについては確認させていただき

ます。


もろもろ柔軟には対応できるかと思いますので、ご興味ある方、詳細お聞きに

なりたい方、ご連絡お待ちいたしております。


以上、ご案内でした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

2022年5月30日月曜日

【実測シリーズ】Surfgauge 試作室_ハンディな ポータブル 表面張力計の提案

 

久々の投稿となります。


さっそくですが、例えば品質管理の現場などで、表面張力の測定がサクッと行えたら

よいなと思ったりします。


表面張力の測定方式の多くは、試料と接触する、装置のセンサシステムの一部となる

測定子を介して測定が行われます。


得てして、測定子は試料液体に対して、よく濡れることが担保されている必要があり

ます。

そのため、測定前に測定子の前処理が必要となったり、使用後には、極力すぐに、

しっかりと洗浄を行い、試料を除去し、保管を行う必要があります。


結果、おそらく、試料を抜き取り、ラボに持ち込むなどし、表面張力の測定を行って

いる、というケースが多いのではないかと思います。


この点を解決することで、より現場に近いところで、表面張力の測定が実現できる

のではないかと、考えてきました。

以下のような方法はいかがでしょうか?



解説しますと、ディスペンサになっている、マイクロメータヘッドを回転させ、液滴を
数滴、ポタポタとシリンジから滴下させます。

滴数は測定者の任意になります。

滴数が多い方が、再現性は良いと思います。


滴下が終わり、左手の親指を離すと、表面張力値が表示されます。


シリンジは、試料の変更とともに取り替えていただきますが、ディスポでも良いかも

しれませんし、後でまとめてガラガラと洗浄してもらっても良いかと思います。


ちなみにこの試作機は、乾電池でも動作いたしますので、場所を選ばず、現場で

試料をシリンジで吸い取り、その場でポタポタ滴下させるだけ。


以上のようなご利用のシーン、ございませんでしょうか?


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


2022年3月15日火曜日

宣伝 -TransMeat TECHNOLOGIES について-

 

久々の投稿ですが、宣伝です。


昨年4月の投稿 「閑話休題 -SDGs-」 で、大豆原料の代替肉の試作について

の投稿をいたしました。


あの時、簡単な実験にも関わらず、可能性を感じる結果が得られたことから、実は、

あれから約1年弱、改善を重ねてきておりました。


新たなブランドとして、「TransMeat」 の商標の登録が完了し、

TransMeat TECHNOLOGIES として、開発にいそしんでおります。


Webサイトの製作、管理の負担を考慮し、しばらくはSNSを中心に情報発信を

行っていく予定です。

はじめたばかりですが、インスタグラム にあげていっておりますので、

よろしければ。。。

今回の投稿のタイトルの「宣伝」です。。



先述、昨年の投稿でも説明したとおり、水と一緒に混ぜ合わせた大豆たんぱくは、

加熱、混錬、圧縮を要素とした加工工程により、たんぱく質が組織化し、肉のような

弾力がうまれます。


また、混錬とは、よく練り、混ぜ合わせることで、せん断により、機械的エネルギーを

効果的に原料に与えることが重要とされています。

せん断は、粘度測定に携わっている方には、じゅうぶんにおなじみであるかと思い

ますが、過去の投稿

粘弾性について7)_伸長粘度はなぜ3倍? ~その1~_せん断ひずみと伸長ひずみ

にて、触れさせていただいておりますので、よろしければ。。


私たちは、特に、この せん断 を掘り下げ検討し、加工装置の中で、一重、二重、

三重と、多重に、異方向から、複雑にせん断を与える機構を考えてまいりました。

いかに材料をいじめ抜くか、を考えてきました。。。


加工の一例をご紹介します。



編み物のような、複雑なテクスチャーが見てとれるかと思いますが、このシワ感や

厚みを、コントロールできるところも、大きな特徴です。

もちろん、下図のように、ミンチタイプの加工も可能です。

以上のような、代替肉を、原料を投入する限り、連続的に生産できます。


代替肉加工の3要素として、加熱、混錬、圧縮をあげましたが、さらに、私たちは、

バッチ式の加工装置についても学び、連続式でありながら、「時間」という、第4の

要素も組み込んだ装置に仕上げつつあります。


この先、直近の予定では、パイロットスケールの装置を試作します。


また、私たちは、あくまでも代替肉製品の開発、製造、販売を目指しているわけでは

ありませんが、代替肉サンプルのご依頼を受けることが増えてきたため、

食品製造業の申請・許可の取得を予定しております。



ここまで読んでいただき、ありがとうございました。